青蓮院門跡 庭園 龍心池(相阿弥の庭)のこと

2014.02.06 Thursday

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    青蓮院門跡 庭園 龍心池(相阿弥の庭)のこと
     
    南木です。
     
    ふと昨夜、頭に青蓮院門跡 庭園 龍心池(相阿弥の庭)のことが浮かび、
    書いておきたくなった。
     
    京都にある 「青蓮院(しょうれんいん)門跡」 は学生時代から、そして社会人になってからも何度も行き、
    また京都、岡崎の美術館に行くことは多いので、その後時間があれば立ち寄りたいと思う、私のお気に入りの場所である。
     
    それは龍心池(相阿弥の庭)があるからだ。
     
    この写真は「境内と庭園  天台宗 青蓮院門跡」
    のホームページから引用させていただいたものだが、この庭には「秘密」がある。
    拝観して、庭の詳しい説明のついたパンフレットをいただいても、「相阿弥の庭」として
    すばらしいものだと言うことが丁寧に述べられているだけで、岩や、植栽の配置については詳しく述べられていても、
    この庭の見方についての説明は一行も書かれていない。
     
    天台密教の庭だから、庭にも「秘密」があるのである。
    「秘密」は分かるものには秘密でもなんでもなく、回廊式庭園なので、明示されているが、分からないもにとっては何も存在しない。
     
    このホームページにある庭と、建物の配置でいうと、掲示の写真は、
    華頂殿と、小御所の間の渡り廊下(実際はこの図よりずっと広く、そこに庭を鑑賞する為の座布団などが置かれている)
    から眺めたこの庭の写真であり、右手に見えている建物が「小御所」である。
    「小御所」は文字通り、天皇や、貴人がお休みになるところである。
     
    「此岸(しがん)」と「彼岸(ひがん)」
     
    さて、この位置から普通はこの庭を鑑賞するのが一般的な鑑賞の仕方なのだが、
    そうすると、今、自分のいる場所が、こちら側の世界「此岸(しがん)」であり、池の向こう側が「彼岸」ということになる。
    これは誰でも分かる庭の見方である。こちら側がこの世、池の向こうがあの世、浄土である。
     
    池は、本来「川」であるものが、池にデフォルメされているので、池を回りこんで向こう側に行くことは出来ない。
    橋を渡ってゆかねばならない。よってこの池(川)がこの世とあの世の間にある「三途の川」で、この橋を渡って、向こう側へ行ったものは帰ってこない。
     
    また、そういったことが分かる「仏教的な悟り」のシンボルとして、写真に見られる小さな石の灯篭が置かれている。
     
    ここまでは通俗的なこの庭の見方である。
    よって上記の解釈は本当の「仏教的な悟り」には結びつかない。
     
    「小御所」へ回りこんで、この庭を見ると、全く違った風景が現れる。
    この庭の真の見方、正しい解釈は、この「小御所」に立って庭を眺めたときにのみ明示されるように、この庭は造られている。
     
    「小御所」から眺める風景は、右に「彼岸」、左に「此岸」を見て、自身は、この間にかかる橋の中央に立つ風景である。
     
    目の前に、「彼岸」も「此岸」も厳然として開けている。
    そして視線を少し上げると、写真の灯篭よりも遥かに重厚な多重の石塔が、正面に見えるようになっており、(写真には写っていない。この写真の位置からだと、視野の左隅にあるか、それとも植栽の陰で見えにくい)、そこに仏教の真理、真の悟りがあることが暗示されている。
     
    読者も今度「青蓮院門跡」に行かれたら、是非「小御所」からこの庭を鑑賞して欲しい。
     
    庭には多様な見方があって、ここに書いたことは一つの見方に過ぎないが、私はいつもこの庭をそのような見方で鑑賞し、この庭が明示している宇宙的な真理に感動する。
     
    また、この庭はそのようにして、我が国の天皇を中心とする国体の真の、正しいあり方をも、あるいは真のあらゆるリーダーが知っているべき、精神のあり方をも暗示していると私には思われる。
     
    (追記)
    ホームページを検索していて、

    http://d.hatena.ne.jp/sanraku2/20130702/1372783435

    「小御所の縁側から見た「相阿弥の庭」。龍心池を中心とした美しい池泉庭園です。」

    の写真を見つけたので、ここに上記ホームページより、引用させていただいた。

    この写真は小御所縁側のやや左寄りから撮影されているので、
    植栽の陰になって橋は分かりにくくなっているが、

    小御所縁側のもう少し右側に立てば、橋は眼前に見える。

    しかしこの稿で私が説明した事を、読者はこの写真によって、良く理解していただけるだろうと思う。



    更に良く分かる写真があったので追加する(2月9日)

    小御所、橋、龍の背に見立てた大石、そして向こうに見える石塔の直線上に、更に小さな灯篭がさりげなく置かれている事も、意味深く、見逃してはならないことに思われる。夜の闇の中で、小御所の縁側に立ち、この小さな灯篭だけに点灯し、浮かび上がる庭全体を思い浮かべると、この庭がどれほど深く考えつめて設計されたかが分かってくる。あの小さな灯篭の場所だけが、庭全体に光を届ける場所にある。
    http://photozou.jp/photo/show/275823/61314987
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